新型コロナ感染拡大に伴い注目を集めた東京・新宿の歌舞伎町で働くホストたちが、歌集「ホスト万葉集」(短歌研究社)を出版した。愛の言葉で女性をもてなすプロたちの作品は、本職の歌人も高く評価。独り歩きした「夜の街」のイメージの裏側にある等身大の素顔がのぞく。

〈行けたら行くねそんなこと別に聞いてない/今日会いに来てくれる君が好き〉(風早涼太)

歌集は約900首から厳選した約300首を収録。「姫」と呼ぶ女性客に思いをはせる歌から、〈千円を前借りにして口にするおにぎり一個の我の悔しさ〉(武尊)と向上心がにじむ作品まで、多彩な内容が際立つ。(KYODO)